トウキョウ*リアルワールド

わたしはげんきだよ

Switchをモニタとスピーカーに繋いだ時、くそノイズが出る現象の対処方法

こういうことらしい。

Switchの音声ノイズを解決した - rmaruon

 

Switchの音出したいんだからスピーカーはSwitchに繋げばいいんだなって思うじゃん!!

Switchに挿してたスピーカーの端子をモニタに繋いだら音が一気にクリアになった。三年ぐらい悩んでたのはなんだったのか。

エアプ野郎がわかった気になって観るHADOの話。

 どうも初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。去年もなんか書いてたHADOエアプ野郎です。エアプ野郎がHADOに口を出すなというクレームはアドベントカレンダーを埋めろとわざわざLINEを飛ばしてきたぶちょう。さんのほうにお願いします。アドカレヤクザこわい。

adventar.org

 アドベントカレンダー22日目担当の冬です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

 フォロワー各位は概ねご存じの通り、僕がHADOプレイヤーだったのは2017年及び2019年のことです。大昔ですね。あの頃はまだ大学1年生だったと思うと時の流れの速さを感じます。2019→現在だとどうかはわかりませんが、さすがに一番日常的にプレイしていた2017年頃と今だと環境はプレイヤー側の戦術からも仕様からも大きく異なっているようです。異なっているはずです。…異なってますよね? 壁がパラ振りで枚数変わるのって最初からじゃありませんよね…? 今となっては相互フォロワーのHADOプレイヤーも残すところぶちょう。だけとなってしまいました*1

 このように諸々記憶が朧気になるほどプレイヤーを辞めて久しい僕ですが、実はつい先日HADO JAPAN CUPを見に行ったんですね。HADOの大会*2は何度か見ていましたが、今回は池袋サンシャインの噴水広場でやるというので(あんな開放的なところでやるんだ…?)と少し気になって出てきたのです。

 知っているプレイヤーも少なく、仕様や環境にも変化が起こっているようで、それでも観戦して楽しめるのだろうか。そう思っていた部分も少なからずありましたが、いざ実際にHADOを観戦してみると、意外とわかるものはある*3のでした。

 ということで今回は、体力・時間を考慮すると今後プレーヤーへ戻ることは難しいであろう自分が、それでもHADOを観戦して楽しかったこと、またその時に意識していたことなどを綴ってお茶を濁アドベントカレンダー22日目の記事とさせていただこうと思います。今後軽い気持ちでHADOを観戦したいな、と思った誰かの参考になればいいなと思います。知らんけど。

 

1.したしらべ

 まあいくら何でも事前知識0!w知ってる現役選手三人!w*4みたいなエアプどころか舐めプモードで観戦しても面白くないだろうと思って、事前に出場チームについて調べていました。

 軽い気持ちで観戦するために調べるなんてめんどくさい……と思うかもしれませんが、調べるといっても大したことはしていません。HADOは公式試合を行う際に試合用デバイスと個人のアカウントを連携する*5ので、すべての戦績がデータとして記録されています。そのうちのチームとしての実績等は、公式ホームページからわかりやすい形で閲覧することができるのです。

hado-official.com

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実際の画面。チーム名押下で詳細を確認できる

 最初に気づいたとき、正直僕これちょっと感動しました。HADO公式は映像やらサイトやらがめちゃくちゃかっこいいことで(僕の中では)定評があるのですが、このページはお気に入りのうちの一つですね。

 話がちょっと逸れましたが、ここでランキングや大会実績、ここ一年の公式試合の戦績、チームがいつからあるか*6、メンバー変遷などが確認できます。これに軽く目を通すだけでも何となくチームの特色がわかってつかみやすくなるかもしれません。

 ちなみにArc-A'sを見て「そんな古株チームじゃないのに圧倒的に強い!」という印象を抱いてしまうと完全にミスリードなので補足しますが、このチームは結成時点で新人だったわけではなく、もともと別々のチームで一定の実績を積んだ選手が集まってできたチームです。最初はチーム単位で着目して情報を入れるだけでも大きく変わってきますが、HADOは意外とチーム間の移籍等が珍しくないので、慣れてきたら選手単位で注目してみると面白いかもしれません。誰かHADO選手名鑑とか出してくんねえかな

 

2.かんせんばしょ

 やはり観戦をするには現地に行くのが一番だと思うというかこの記事自体現地観戦するという前提の上で書いているのですが、現地に行った際の注意事項(?)があります。慣れている人は皆さんお判りの通りなのですが、HADO観戦において、「選手が直接よく見えるかどうか」はあまり関係がないという話ですね。当たり前なのですが、モニターがよく見えないと何が起こっているか一切判らないのです。

 HADO観戦とは、選手を見ることではなく、「モニターに映る情報を観る」こと。言葉に出すと簡単なようですが、日常生活に支障がないからって裸眼0.5で眼鏡もコンタクトもせず行動されている方に置かれましては、眼鏡などをお持ちになることをお勧めします。

 僕は今回眼鏡を忘れて試合中の選手名表示を後輩に読ませました(カス)

 

3.なにをみるか

 前の項で「HADO観戦とはモニターを観ること」と言いましたが、では何を観ればいいのでしょうか?

 点数の推移、ライフの残り枚数などは見ておそらく誰でもすぐわかると思うので、それ以外にモニターにちょくちょく出てくるやつらの話をしたいと思います。

 

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各プレイヤーのパラメーターが表示されている

 数字が等間隔で並んで出てきたら、これは試合前に各プレイヤーが設定した戦闘ステータスの内訳画面ですね。左から「SPEED」「SCALE」「CHARGE」「SHIELD」です。最近はチームに一人はSHIELDのステータスを5まで振っているタンク役がいるようなので、まずは一番右をパッと見て『タンク役がいるのかどうか』を確認すると”それっぽい”かもしれませんね(?)。タンク役のいるチームとの試合は点数の変動があまり起こらないので、試合運びの予想くらいまではここからできるかもしれません。

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シールドの残り枚数が確認できる

 これは各自のシールド残数(と一番左は確かデス数)が確認できる画面です。いくらタンク役がいても、シールドを5枚使い切ってしまえばその人はもう小さな遅い球を放ることしかできなくなってしまいます*7。シールドの消費状況を見て、どちらの耐久に分があるかを判断できるかもしれません。

 

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この画面はタンクが絶対いる今の環境では気にしても仕方がないかもしれない

 こちらはキルカウントと放った球の内当たった数を出してくれています。以前*8は今ほどタンクありき環境じゃなかったと思うのですが、全員がアタッカーだとパラメーターも併せて戦闘スタイルとかが顕在化するので面白かったです。今だとタンク二枚編成とかになったらもはや得点はほぼタンクじゃない最後一人のものですし、そもそもタンク編成を含む試合はキルデスの発生があまりないので、この辺の数値はあまり面白くないかもしれません。


おわりに

 いかがでしたか?(言いたいだけ)

 HADOのモチベが「知ってる人とワイワイ見てたから楽しい!w」を脱して早幾年の僕でしたが、今回の観戦は意外と楽しかったのでびっくりしました。『そこにある情報がなんだかわかる』というだけでも、かなり楽しめるレベルが変化してくるのだなと痛感しました。

 プレイヤーの皆さんからしたら「なんだこのエアプ野郎…」と思われるレベルの解像度かもしれませんが、それぐらいの距離からわかるものにだけフォーカスして楽しむというのも一つの観戦体験としていいんじゃないかな、と思います。

 

note.com

 HADOの変遷について詳しいことを知りたい方はこちらもどうぞ。

 そのうちぶちょう。が2020年版と2021年版を出してくれると信じて、この記事は終わりにしたいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

*1:しおしおってまだHADOやってるんですか?

*2:定期的にやってる現地観戦を想定した大きめのやつのことです。今はグランドスラムって言うんでしたっけ?

*3:今回は「体験会及び『インストラクターに挑戦』の類のアクティビティを開催しているのを見たことがあるだけ」のリアル後輩を連れて行ったのですが、あるものを都度説明していたら意外と頭の中に残っているものがあったことに気づいたのです

*4:kouki選手はぶちょう。あたりの人脈を介して何度か遊んだことがあります。REE選手はディーバの時から顔が好きでした

*5:アワ時代の解像度がこの程度なので間違ってたら指摘してください

*6:古参チームの公認日が2018年の9月~10月にかけて表記されているので、このシステムの開始日は恐らくそのあたりからです。公認日がこの辺りの日付のチームは必ずしも公認日が結成日を意味しないともいえるので要注意

*7:人に当てることが現実的ではない球でもシールドに当たればシールドの耐久値はその分減衰するので、タンク役のステータスはほとんど1135(チャージ3)が一般的です

*8:僕が真面目に両国とかでHADOしてた頃

#先月の生存報告[2021.Mar]

 恐れていた新年度の始まりがついにやってきましたが、皆さんお元気ですか? 僕はグラブル以外のエイプリルフールイベントをほとんど回収しないまま入社式を終え社会人と相成りましたが元気です。エイプリルフール4日目ってなんですか…? まあ起源にもあの種のバカ騒ぎを4/1しかやってはいけない要素は無いらしい*1ので、せっかく実装したコンテンツを複数日に亘って楽しめるのは一周回って正しいような気がしないでもありませんが。#コンパスのエイプリルフールに至っては自ら望んで観続けることができない形式*2なので、本当に技術の無駄遣いだと思うんですよ。金なら積むので過去に四月馬鹿騒動のためにか開発したものを単体の有償アプリか何かで出してもらえませんか? とソシャゲ各社には毎年思っています。

 そういえば前回の生存報告を受けて「学生時代にアマプラstudentに入っておくべき」と恋人氏に言われたので入っておかないとなとは思っていたのですが、そう思ったまま4月になりました。おまえはいつもそうだ。3月いっぱいで終わることは他にも学番アカウントのクラウドアクセス権限等色々あったのですが、なんで肝心の3月末にそれを思い出せないんでしょうね。特に困る訳では無いのですが、調べてみたらコミケ参戦最初2回の原稿データ原本が自分の管理下ではそこにしかなかったことが発覚したりしました。どうしてそんなところにしか置いてなかったんですか? 3月末に思い出せなかったことに限って4月になってから色々と思い出すのは腹立たしいことこの上ありませんが、恐らく一生こうなのでどうしようもありません。テーブルの下に踞る人生を送るほかなさそうです。

 観測範囲では新社会人のほかに大きな環境の変化に見舞われた方は見当たらないのですが*3、ひとまず読者のうちの学生各位の皆様、ご卒業&進級&ご入学おめでとうございます。かくいう僕も煽りを多方面から受けつつ新社会人と相成った訳ですが、いきなり新社会人向け合同研修に送り出されてプログラミングの勉強ばかりしているので社会人として仕事をしているという感覚は未だにありません。勉強が順調だからといって調子に乗っていると足元をすくわれそうで戦々恐々としているのですが、そういうものは得てして忘れた頃にやって来るのできっと警戒したところで無駄なんだろうな、という程よい諦めも同居しつつ日々を過ごしています。今はまだ休日にフルで友人達との予定を入れる元気がありますが、そうはならなくなった頃が見ものですね。

 今月は大してnoteも書いてないのでこっちはさっさと上げられるだろうと思っていましたが、気がついたらもう4月もおしまいです。どうして…? まあこのくだりは毎月やっているので特に驚くべきところはないのですが、今月は前数ヶ月に輪をかけて時間の進みの速さを感じます。社会人になるとはこういうことでしょうか。タスクがなく無気力な日々を過ごすよりはよっぽどいい気はしているんですけどね。

 

 

★えーぺっくす★

 もともとは好きな先輩がAPEXを始めたという話をしていて、じゃあSwitch版出たらはじめるんで遊んで下さい! みたいな話を昨秋辺りにしたのですが、そこから永遠にSwitch版の話が来なかったのでPCにインストールだけしてそのままにしていたのが始まりでした。マウスで視界をコントロールするのは数回試して不可能だと思ったのでPCでやるにしてもゲームパッドが欲しい→じゃあ別にSwitchでもよくない? ということで暫く放置していたのですが、彼氏がなかなか良いコントローラーを教えてくれたのと本当に周りのオタクが揃いも揃って始め出したことをきっかけに(自分なりに)真面目にプレイし始めました。

 僕は今のところほとんどブラハとたまにジブくらいしか使えないのですが、他の人には珍しいねとよく言われます。初心者向きのキャラって何かあるんですか? 最初期にオススメなんちゃらみたいな記事を読んでピンと来なかったのでそれらガン無視で手当たり次第に試しながらの現在なので、ある程度様相の掴めてきた今もう一度その類の指南記事を読むべきなのかもしれません。ちなみにブラハとジブが使いやすい理由はそれぞれ別のゲームに似たようなスキルのキャラがいて(ブラットハウンドは第五人格における心眼*4ジブラルタルはコンパスにおけるジャスティスに似ている気がするのです)、キャラの役割やスキルの使い所を理解しやすかったからです。ある言語の学習経験値が他言語の習得に役立つように、PvPバトルの経験値も捨てたもんじゃありませんね。

 プレイする上で難点があるとすれば、敵に狙いを定めて発砲するのが非常に苦手ということです(致命的すぎませんか?)。一対多の図で私が決定打を偶然叩き込んだ、以外のキル経験は3月末現在未だ3回しかなく、

・鯖メンを囮にしてマスティフで屠ったブラハ

・スキル使ったのが見えたからジブのウルトを寄越したら空中で死んだと思しきホライゾン

・初動で丸腰だったところを殴り殺したレヴ

くらいのものなので、もう少しまともに舞えるようになりたいです。最近は使いやすい武器の組み合わせが分かってきて0ダメージ退場の頻度も減ってきたので、まずはせめて敵のシールドを削りきれるくらい連続で弾を当てられるような練習をしていきたい所存です。こんな数合わせにしかもならないド素人でも良ければ遊んでくださる方がいたらぜひお気軽にお声かけ下さい。喜んで飛んでいきます。

 

 

★あるばいと★

 特定要素があまりにもありすぎて*5どのように話したものか毎度迷ってこの項目は消し飛ばされ(て抽象化されnoteの題材にな)るのですが、この際先人*6が「シャイニング」に喩えた呼称をそのまま流用するのが丸い気がしてきました。スティーブン・キングを読んだことがない身でこんなことしてたら怒られるような気がしないでもありませんが、大目に見てください。そのうち履修するんで。多分。

 そんなわけですが僕は大学卒業・就職に伴ってアルバイト先であるオーバールック217号室を円満退職することが決定しており、年明けにジャックを含む新人2名を迎えてからは専ら翌四月以降のシフトを僕無しで回せるようにという試行錯誤が続いていました。実質的なトップであるアルマンは当初から新人ジャックのスタンスをお気に召さないようで、ジャック不在の場では僕に対してもその旨度々言及してきていたのですが、どうやら他人に対してヘイトがたまりがちな一因はジャックに対する不服感以外にも彼の上司に対する不満もあったようです。彼の上司・ダーウェント(本当の店長です)は愈々アルマンを本格的に217号室のリーダーとして据えようとしているようで、店長会議は勿論、「店長やそれに準ずる従業員の参加が義務付けられる定期マナー講習」へ店舗から最低1名は参加しなければならないという話が来た時にもダーウェントは当然のようにそれをアルマンに押し付けたそうです。それを聞いたのは後になってからのことですが、その時はさすがに同情しました。アルマンが社員であれば一定話は異なるとは思うのですが、217号室において正社員はダーウェントのみ、アルマンはアルバイトの通常時給*7での雇用です。それで責任者レベルの負荷をかけられてはたまったものではありません。

 おそらくそのような状況下で、待遇面はほぼ変わらないのにバイトとして最低限のものしか期待されずタスクを無理やり課される事も無い学生バイト(僕とジャックしか居ませんが)の存在は精神衛生上も都合が悪かったのでしょう。一〜二月頃はそうでもなかったのですが、どうやら三月においては(アルマンがシフトを組む立場にあるのをいいことに)ジャック出勤時のカバー役をすべて僕に押しつけて僕ごとジャックをアルマンのシフトから強制隔離するという力技に出ており*8、ちょっと笑いました(失礼)。三月のうちに僕がアルマンと217号室で会ったのは本当に最後一日程度くらいです。ジャックもアルマンに実行要請を受けているコマンドを無限に延滞させているらしく、アルマンとのエンカウントの回避を望む傾向にあったようなので好都合だったようでした。実はジャックが仰せつかっているタスクは本質的に【掃除】に類するものなので、本来ぜひともやっていただきたいところなのですが、ダメなんですかね。ダメなんでしょうね。でも紛失するのはさすがの僕でもいかがなものかとは思います。後の祭りですが。

 ところで217号室では3ヶ月に一度月末最終営業日に大仕事があり、3/31もアルバイトメンバー総出で営業時間終了後に居残りで作業をしていました。その作業はただでさえ通常より遅くなるものであるというのに、この日が最終出勤日だということをダーウェント含むその場の全員が知っていたため「今までありがとうございました」的な何やかやもその場で行われ、職場を後にしたのは残り十数分で日付も変わろうという頃でした。僕明日が入社式って再三言いましたよね、どうしてこんな時間まで拘束されているんですか? まあ午後からなのでそこまで影響もないといえばそうなのですが…

 不幸中の幸いというべきかそれを理由にダーウェントにつけあがられたのではないかと疑うべきかは不明ですが、オーバールックは僕の自宅から徒歩十分程度の距離にあり、このことにはいざ外に出るまで気づきませんでした。気づかなかったのですが、そこまで残留していた従業員のうち一番遠方に住んでいたのはジャックでした。具体的には、もう終電が危ぶまれる時間だったのです。恐る恐るジャックに帰りの電車の時間は問題はないのかと訊くと、考えないようにしているという謎の回答を賜りました。そうはならんやろ…。ジャックがICカードにチャージをしている間にルートを検索すると、乗ろうとしている駅から最短で帰れる地下鉄の時刻は一件しかヒットせず、不吉な予感がして僕は慌ててジャックを送りだしました。以下がその後の僕とジャックの会話の再現ログです。

 

「帰り着けそう?」

『無事帰れたところ』

『乗った電車は乗換前後どちらも終電でした、ありがとう』

「今後は事前に終電を調べようね…」

『そうします ダメでも玄関先借りればいいかなって』

「……玄関先……?」

『一夜の宿をどこかで探さないとならないからね』

 

 これを受けて僕の頭に浮かんだ回答の候補は、全部で4つでした。

 

1.どうしてそんなに緊張感がないんですか?

2.そうならないように努力してみる気は無い?

3.君って変な所で楽観的だよね

4.そうならないことを祈るよ…

 

 1は思い浮かべておいてなんですが、訊くだけ無駄だと思ったので秒で却下されました。肝が据わっているなどと言えば聞こえはいいですが、ジャックに関して言えば『当該場面が緊張感のあってしかるべき状況である』という事実まで認識したうえで緊張感が伴わないのでどうしようもありません。

 2は当初それなりに良い選択肢ではないか、と思われたのですが、残念ながら相手はジャックです。僕はジャックほど努力という概念を評価しない人間を知りません。努力、という形容がなされている時点で、彼の回答はNOでしょう。さすがに慣れてきました。

 3もまぎれもない事実なのですが、これではジャックを肯定的に評価しているようで癪に障ります。このある種の楽観性はジャックの長所としても捉えられます*9が、ここはどちらかといえば『後学のためにできれば彼の反省を促したい』というところです。勿論多かれ少なかれこちらの考える点についてはジャックも思い至っているだろうという気はしたので態々説教を垂れるつもりはありませんでしたが、なにも褒めることもないでしょう。

 というわけで、選ばれたのは4でした。

 

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なんだお前

 

 

 

★ぐらぶる★

 気がついたらランクが150になってました。どうしてですか?

 当初はそこまでガチでやるつもりもなかったのですが、なんか…7倍使わないのもったいないよな…と思っていたらいつの間にかこんなところまで来てしまいました。いろいろなマルチバトルができるようになったのはいいことだと自分に言い聞かせているところです。後述のnoteを書きながら雫を焚いて周回していると案外あっという間なので驚きました。アーカルムを永遠にサボり倒していたら後から始めたフォロワーに抜かれていったので、此方を真面目にやるのが次月以降の課題です。せめてムーンSSR化くらいは終わらせましょうね…?

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いい靡き方をする黒髪ロング

 周年サプは武器が一定育成の見込みがある光闇の季節限定からなにか選ぼうと思案しており、長らく浴衣女子のロザミアとアンスリアどちらにしようか迷っていましたが、結局アンスリアのひどく背面の開いた衣装を許すことが出来ず*10(そこ?)黒髪ロング女子をお迎えするに至りました。光の武器は本腰入れてやり始めたころから強化していたのとVDアグロヴァルを所持していたのとがあったので、古戦場時に1700万ぎりぎり出るか出ないか程度だった武器編成をそのままに1ターンで2200万まで到達するようになりました。キャラの構成を変えただけでセレストHLの確定流しをできるようになったのはめちゃくちゃデカいですね。刻印を使ったパーティを扱うのは初めてですが、自分の性癖にも割と合う気がするので、リソースを割く余裕ができればこちらも少しずつ強化していきたいところです。

 

 

ふるさと納税

 厳密には僕がしたことではないのですが、今月は二回ほど恋人氏のふるさと納税返礼品のおこぼれにあずかっていました。ふるさと納税といえば結構地方都市の名産品を目当てにするもののイメージが強いと思うのですが*11、どうやら東京23区も区単位で返礼品を用意しているようで、以前渋谷区と墨田区に寄付したらしい氏に従いて都民でも意外と行かない観光名所を回っていました。

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風が強くて割とこわい

  ひとつはSHIBUYA SKYです。地上229mのルーフトップから下界を見下ろせる、いわゆる展望台です。周囲は高いガラスの壁で囲われているものの屋根はないので、解放感はほかの施設に比べてもなかなかのものでしょう。まぁまぁな頻度で渋谷に出ていた私ですが、実はスクランブルスクエアにすら入ったことが無かったりしました。これは後述のスカイツリーもそうなのですが、改まって行くには少々高価な観光名所って「そのうち行くだろう」とか言いながらなんだかんだで行く機会を逸しがちなんですよね。とてもいい体験でした。この日は大変良く晴れていたのもあり、かなり遠くまで眺めることができたのがよかったです。夜に来るとかしてもまた違った趣がありそうですね。

 もう一つは東京スカイツリーです。こちらは厳密には展望台フロア内にあるレストランのランチコース招待券だったので、ありがたく頂戴することにしました。

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とってもしゃれおつ

 下界を見下ろしながら食べるしゃれおつな料理は最高ですね。グラスの中身はもちろんワインなどではなく葡萄ジュースですが、雰囲気が出ててよかったです。

 スカイツリーの展望台は二つあり、このレストランがある方は下の方の展望台なのですが、 それでも350mあるというので驚きです。快晴とまではいきませんが、この日も見晴らしはよかったので360度くるくる見て回っては景色を楽しんでいました。ちょうどもう一つ上の展望台の方でエヴァコラボをしていたせいかここにもそこかしこにエヴァ要素があり、すごいなぁと感嘆するなどもしていました*12。食事をしたレストランとは異なるカフェエリアでもコラボメニューが展開されていたのですが、これ本当にコラボカフェ目当てで上がってくる客居るんでしょうか…?

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入場料の高いコラボカフェ

 

 

 

★いろいろ★

 三月はあまりの無気力っぷりがたたったのか、妙にnoteの更新頻度が高い月でした。グラブル周回のお供というのもありましたが、そもそもこんなにネタがあること自体珍しいのでやっぱりどこかメンタルの調子がおかしかったのではないかと訝しんでいるところです。確かめる術はありませんが。この記事にしてもそうですが、いつも読んでくださる各位ありがとうございます。感想をくれてもいいんですよ。noteの方は特に成人男性を女の子呼ばわりするつもりはなかった話が意外にウケたのか、閲覧数がぶっちぎりで多かったです。遊戯王はエアプなのにわざわざ表に入れたりしてごめんなさい、しゃしゃりました。ちなみにあの記事、聞くところによると実際にA氏の方も周囲の友人に「お前と冬さんはどういう関係なんだ」と訊かれていたそうなのですが、どうやらA氏はそれに対して「…保護者?」と答えたらしく、僕は後からそれを聞いて爆笑していました。どうして知らない間に保護対象者が増えているんですか?*13 まあこちらとしては別に構わないのですが、お前はそれでいいのか。

 

 学生時代最後の一ヶ月ということで、今月は結構色々出歩いていました。特に宣言解除後はおとなしく一日中家にいた日の方が少なかった気すらします。まあ、勿体ないですからね(?)。

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せっかくなのでマルリリで注文しました

 コンパスカフェにも行ってきました。またコラボカフェが始まったのか、と思っていたら常設化だったそうなので驚きです。コンパスのUI風なキッチンの脇のブラックボードのイラストがとても可愛かったのですが、人が邪魔で上手く写真が撮れないなと思っていたらそのうち忘れてしまったので、写真に残すことは出来ませんでした。グランドメニューの他にも期間限定メニューが度々更新されるようなので、機会があればまた行きたいところです。

 年単位で行きたいという話をし続けたあの店にもついに行ってきました。FF14はじめましたじゃあないんだよ

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真ん中の肉(確かハラミ)がマジで旨かった

 そう、「とんつう」です。
 元々は私がnoteマガジンを購読してるツイッタラー氏の『行ってよかった店』に挙げられていたことで「やはりフォロワーを無理矢理召喚してでも行かねば*14」と急遽人を集めだしたことがきっかけでしたが、本当に行ってよかったです。なかなかいいお値段のする焼肉屋ですが、それだけのことがある迫力のあるお肉達がやってきたので大満足でした。
   

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薄暗めなせいかぶれてない写真がこれくらいしかなかった

 インスタで広告を見てから長らく気になっていたチームラボも漸く見に行くことが出来ました。一緒に行かないかと声を掛けた友人は既に過去行ったことがあったようで、特にガイドを申し込んだつもりは無かったのですが随分と慣れた様子で一通り展示を案内してくれました。行ったことある人にはわかって貰えると期待してこれを書いているのですが、あれ館内本当に方向感覚わからなくなりませんか…??「こっちが個人的におすすめな展示だよ」「あなたが見たがってた展示はこっちだよ」と迷うことなく案内してくれて非常に助かったのですが、どうしてこんなに迷うことなく歩けるのですか…? という疑問は終始浮かんで離れませんでした。前に1度来たことがあるだけだから、とは本人の供述でしたが、二回目に来たとして同じように他人を案内できる気はしません。やはり自分は方向音痴なのだな…と痛感しました。この日は僕が夕方からアルバイトだったので早々に現地解散と相成りましたが、居ようと思えばopenからcloseまで居られる気がするものすごい空間でした。今度はもう少し長居できる時に行ってみようと思います。

*1:そもそも起源は不明らしいですね

*2:マッチング待機中にミニゲームで遊べるシステムがあるのですが、手が込んでいる割に4月1日ののマッチング待機画面でしか見ることはできない代物

*3:なんならタメの相互も結構いるのに「この春から」社会人も意外といない

*4:ブラハは一定視野角内の敵位置を表示するスキルを持っていて、これは敵からもスキャン方向とスキャンされたことは判るようになっているのですが、心眼の重叩き=ハンターの位置を一定時間周囲の人間に知らせることが出来るが、杖の音でおおよその位置がバレるスキルと似ているなと思ったわけです

*5:「接客の練習」、接客の練習じゃなくない? というような発言をどなたかがしていた記憶がありますが、実際基本的には正解だとしか言いようがないのでこれ以上具体的に言ってしまうとマジで特定できそうなんですよね

*6:『生存報告ブログ』のネタ元でもあります。リンク先記事内[アルバイト]の項目を参照のこと

*7:以前ちらりと耳にした話では僅かながらアルマンは昇給したという噂でしたが、それが仮に事実でも通常時給+100円です

*8:本来シフトを組むのも店長の仕事だとは思うので、このくらいの権利はあるとは思います

*9:これは某お嬢や某™氏等もそうなのですが、行動工程が予定通りに進まなかったときなどに一切それをストレスとして認識しないタイプの人間は予定を組むに際して緊張しにくいので有難いのです

*10:女の子は着込んでいた方がエロ色気があると思いませんか?と友人に訊いたら怒られました

*11:僕の両親も基本的に食べ物の返礼品を選んでいるため尚更でしょうか

*12:二人揃って履修者ではないので特に何の感慨もありませんでしたが

*13:先述のnote記事において質問者であった後輩、及びA氏らを含むコミュニティ内で、既に僕は後輩の保護者呼ばわりされている

*14:提供システムの都合上複数人数での来店が推奨されていたので、メシに一定金額出すモチベのある人間を複数人数召喚しようとすると実はフォロワーをあたるのが最速だったり

大学生活総括A

 もう誰もいないはずの本館二階の空き小教室の電気がついていたので、まさかと思って恐る恐るその教室の扉を開くと、そこには本当に蓮司先輩が居た。先輩もまさかわたしがここに来るとは思わなかったのだろう、ポカンとした顔をしている。

「……なんで、ここに?」

「それは割とこっちのセリフですよう、蓮司先輩。卒業したはずの人がこんなところに居るなんて、わたしもビックリです」

 わたしがへらっと笑うと、それもそうか、と先輩も笑う。

「卒業式の時に、あんまりゼミの先生と話せなかったからさ。事前に連絡とってて、今日ここでちょっと話してたんだ。ここの鍵は夜守衛の人が閉めてくれるとか何とかで、あとはゆっくりしてっていいよって言われてちょっと──考え事をね」

 そうだったんですね、と言いながら教室の中に踏み入ったわたしは、ソーシャルディスタンスとやらに気を使いつつ先輩の手前側の椅子を引いて座る。そういえば得体の知れない感染症が流行したせいで、今年卒業の代の卒業式は散々だったらしい。式典の時くらいにしか踏み入れないせっかくの礼拝堂には立ち入ることすら許されず、階段教室に学科単位で散り散りに座らされて、中継を眺め終えたらサクサクと敷地から追い出される。それこそ、卒業生が一番お世話になったゼミの先生とすら満足に歓談できないほどに。なるほど、それでリベンジということだったのか。時任は授業もないのにどうしたの、と訊かれたので、うちの学科は今日健康診断だったんで、とはぐらかす。先輩はなるほど、と言ったきり、それ以上は特に何も訊いてこなかった。

「それで、一体何を考えてたんですか?」

「あぁ……いや、こうして大学生が終わるな、と思うと、やり残したことって結構あるなあって思ってね」

「先輩でも、やり残したことなんてあるんですね」

「意外?」

 意外です、とわたしが言うと、先輩も笑う。

 冗談抜きで、先輩は結構充実した大学生活を送っていると思っていた。彼女もいるし、異性にも同性にもちゃんと友達がいて、アルバイトも学業も趣味もそれなりに好きなようにやっているイメージだったのだ。それを素直に言うと、先輩はさらに声を上げて笑った。わたしはそんなにおかしなことを言っただろうか。

「まあ、もらえるものはいっぱいもらった学生生活だったよ。悪くはなかったね。だけどまあ、それと『憧れ』はまた別のものだろ?」

 憧れ。やり残しではなく憧れ、と。

「何か、そんなに……憧れてたものがあるんですか?」

「……これ、ちょっと話が長くなりそうなんだけど、いいかな。まだ帰らなくて大丈夫?」

 先輩が、いつもの頼りなさそうな目でこちらと腕時計を交互に窺う。わたしは考える間もなく答えた。

「もちろん!」

 

「こう、人を好きになるって、いろいろなパターンがあるよな」

「んー……それって例えば、一目惚れとかってことですか?」

 いやいや、と先輩が手を振る。

「今のは俺のたとえが悪かったな。ええと、人に限らず、モノとかゲームとか、なんかそういうものを好きになるスタンスそのもの……というかさ」

「スタンス……というと、陶酔というか過集中みたいな、そういうやつですかねぇ」

「あ、そうそう。前に時任が教えてくれた過集中は割と近いかも。そういうやつの話なんだけどさ」

 そう言うと、先輩はしばらく黙り込んだ。どこかを指そうとした指先だけが、指すべき方向を見失って彷徨っている。どこでもないどこか一点を見つめたまま目を細めて戯れに指を弄ぶのは、何か言うべき言葉を見つけようとするときの先輩の癖だった。わたしはしばらくそのまま、先輩が悩む様子を眺める。

「なんか……こう。俺はよく『メモリを食われる』って言ってるんだけど。なんか、寝ても覚めてもそのことで頭がいっぱい、みたいな。そういうことってある?」

「恋愛してる時のわたしの話ですか?!」

「そこで目を輝かせるな。座れ」

「うへぇ」

 勢いよく立ち上がったわたしは先輩におでこをツッと押され、そのまま跳ね返って椅子に戻る。わたしの扱いが雑なのは、先輩の機嫌がいい証拠だった。

「多分あってると思う。そういう、メモリを食われるような体験自体は、俺にも何度かあった。人に向いたらそれを過集中って呼ぶのかもしれないけど、それは例えばゲームだったり勉強だったり、まあ何でもいいんだけどさ」

 先輩が何を言いたいのか図りかねたので、わたしは頷き役に徹することにする。先輩はしばらく言葉を選ぶようなそぶりを見せてから、大きく溜息を吐いた。

「そういうのが……あー、コミュニティの中でとかさ。そういうところで何かする、みたいな中でメモリを食われるような体験ができなかったことが惜しいな」

「コミュニティ、ですか」

「ああ」

 先輩は首を左右に傾けて、それからぐるりと回すと、そのまま外を見やった。わたしもつられて外を見る。わたしたちの大学は坂の途中に建っていて、正門側の地上から入ると今いるフロアは本館の2階にあたるが、正門の逆サイドにあたる今いる教室の位置だとこちらは地上階で、窓からは中庭の桜がよく見えていた。桜の木々から視線を外さないまま、先輩が呟く。

「……俺、サークル入ってなかったし」

「ですねぇ」

「なんかこう、サークルの中で、男女でわいわい……とか。なんつうんだろうな。強制力があるわけじゃないけど、限りなく近い人間が何となく溜まってるみたいなコミュニティで、さ。性別みたいな記号とか、境遇とかそういうのも全部含めて楽しむような、そういう概念みたいなものにメモリを食われたりしてみたかったなあって、それは今でも思うね」

 やや早口なそれで最後まで話し切った先輩は、かけていた眼鏡をはずして眉間に手をやった。わたしは首をかしげる

「それって、今からするんじゃ遅いんですか?」

「……社会人になったら、それは難しいだろ。常在するコミュニティが利害関係を共有するんだ、強制力だってあるけど無責任に楽しむ余地なんかないと思うんだよ」 

「……まあ確かに、それはそうかもしれませんけど」

 男と女って記号に意味が本当にあるのなら、わたしじゃダメなんですか。

 訊けもしないことを思案するわたしの心中を知ってか知らずか、先輩は眼鏡をかけなおすと頬杖をついてふふ、と笑う。

「白状すると、お前にメモリを食われっぱなしだったこともある」

「急になんですか先輩、愛の告白ですか?!」

「騒ぐんじゃない。違うから座れ」

「うへぇ」

 わたしはけたけた笑いながら元に直る。心当たりは、無くはなかった。けどそれが愛の告白などではないことは、わたしがいちばん知っている。

 先輩とわたしが共に居たひとときは、依存のようで、過集中のようでもあり、ただわたしたちは友達であって、それ以上でもそれ以下でもなかった。それ以上にもそれ以下にもする必要がないことを、わたしたちだけが確信していた。だからわたしはそれでよかった。先輩にとってだって、きっと。

「お前は本当に、いい後輩だったよ。今までありがとうな」

「何湿っぽい空気になってるんスか先輩。先輩が社会人になっても、わたしはずっと先輩の友達ですよ?」

「当たり前だろ──あ、いや。友達でいてくれるのはありがたいよ。だけど……」

 先輩の目が、する、と泳いだ。先輩の体がわかりやすく強張る。なぜかそのまま先輩が崩れ落ちるんじゃないかと思って、わたしは慌てて手を伸ばして──────先輩の手を掴んだ。

「──それ以上言わなくても、大丈夫ですよ、先輩」

 

 この教室は、わたしと先輩が出会った場所だ。あの頃はわたしはまだ新入生で、他にも先輩が居た。

 他学科の教授に気に入られたいというやや不純な動機で参加した有志の委員活動で、同じ小班に分けられたのがわたしとひとつ上の蓮司先輩、それからふたつ上の小村先輩と鈴木先輩だった。わたしたち四人は特に何が共通していたわけではないけれど、すぐにとても仲良くなった。あまり使われることのないこの小教室に集まって、お昼ご飯を食べたりテーブルゲームに興じたりすることもあった。わたしたちはとても良い【友達】だったと思う。小村先輩と鈴木先輩が卒業するまでは、疑ったこともなかった。

 卒業して、環境が変わったからって、【友達】というステータスが簡単に消失するわけじゃない。けど、それと今まで通りの親交量が続くかどうかとはまた、別の問題だ。小村先輩も、鈴木先輩も、卒業してから私たちに連絡を寄越すことはほとんどなかった。それを相も変わらず【友達】と形容していいのか──わたしたちには、判るはずもなかった。

  もしかしたら、先輩もそんなことを予感しているのかもしれなかった。それを嫌だと思ってくれているのなら、友人冥利、後輩冥利に尽きるというものだ。でも、だからといって、できない約束をして先輩を縛り付けるような真似をする気にはなれなかった。

 

 先輩の眼のふちが赤く霞んでいる。わたしは先輩の手を掴んだまま、極力先輩の顔を見ないようにして、ひとりごとのように云った。

「わかってますから。────だからまた、一緒にプリンでも食べに行きましょ」

 先輩が俯いた顔を上げたのがわかって、つられてわたしも顔を上げる。換気のためにあけられていた窓から風に吹かれて散りつつある桜が舞い込んできて、その光景はとてもきれいだった。先輩はわたしの目を見て、ふふふ、と笑った。

「ああ、解った」

 

 

 

「ときとー! ここにいたのね! 探したよう~」

「あ、ごめん」

 ────卒業式が終わってから。

 感染症の流行は収束しつつあったものの、やはりわたしたち卒業生はさっさと会場を追い出された。感染対策の一環なのだろう。学籍番号順に屋外へ放り出されたせいで数少ない友人とすらはぐれていたわたしは、なんだか名残惜しくなって敷地内を足の向くままに散策していたのだが、気が付いたらあの本館の隅の小教室にいた。ちょうど中庭の桜が満開で、その景色に見とれていたところを、わたしを探していたらしいゼミの友人たちに呼びとめられたのだった。

「時任は何でここに居たの? 思い出の教室ってわけでもないっしょ?」

「あたしたち、本館二階の小教室はほぼ使わなかったもんねえ。どうかした?」

「いや、なんでもない」

 同じゼミの友人たちに、蓮司先輩の話はしたことがなかった。する必要も機会もなかったし、何より自分が一番虚しい気持ちになるのが判っていたからだ。

 あれから蓮司先輩とは一度も会っていない。先輩が元々メッセージツールで会話することを好まなかったのもあり、いつも雑談として軽くしていた近況報告をすることもままならぬうちに、どのように接していたのかだんだん分からなくなってきてしまっていたのだった。

 でも、もしかしたら人間は常にそういうものなのかもしれないな、と思う気持ちはあった。これから一緒に写真を撮る友達だって、卒業式の一か月後には音信不通になるかもしれない。だからといって、この卒業式の日に袴で並んで撮った写真の記憶まで墨で塗る必要はない。あれから先輩に会っていないことを悲しんだり苦く思ったりしたからといって、先輩との思い出が無駄だったと証明されるわけではない。

 いつだってなんだって、結論を急ぎ過ぎてはいけないのだ。

「ねえ時任、いまみんなで話してたんだけど、みんなで証書掲げて後ろから写真撮ってもらうやつやらない?」

「いいね、やろうか」

「教授がカメラマンになってくれるってよ! 早く行こ!」

「わかった、今行く!」

 教室を出る直前、わたしは一年前に座っていた席の方を振り返った。

 あの日の先輩の笑った顔は、とても綺麗だった。

 わたしにも、憧れがなかったと言えば嘘になる。わたしも結局馴染めなかったサークルを一年で辞めたし、あのとき先輩が語ったこともわからないでもなかった。

 でも、わたしもやっぱり、いろんなひとからいろんなものをもらった四年間を過ごした。もらったものや手に入れたものたちが最終的にどうなったかは関係ない。それは様々な形で今も、わたしのからだに残っている。

 そういうひとつひとつを忘れないように生きていきたい。蓮司先輩のあの笑顔を、忘れないで生きていきたい。わたしの大学生活は、そうして幕を閉じた。

 

バ!VGと解釈がド一致した限界mskk女の話

を書こうか書くまいか迷って半年ほど下書きを腐らせていたのですが、気がついたら旧クランのカードが揃ってスタン落ちしてました。どうして…

 コラボカードの話を聞いた当初はまさかバンドリクランができると思ってなかったのでこれはもしかして今後も追加されたりするんですか…?! などと淡い期待を抱いていたにわかVGerでしたが、そんなことはありませんでした。諸行無常

 新規の構築済みデッキはとりあえず雑なアンテナで美少女のいる国家は全予約したのですが、今のところそこまで刺さりそうなデッキはありません。そこでやっぱりハロハピがスタン落ちしたのは悲しいなという気持ちになり、下書きの底に埋もれていたこの記事を思い出したのでした。

 ヴァンガード及びBanG Dream!をご存知ない方にはなんのこっちゃでしょうが、今回はこの完全に下書きの奥底に眠っていたオタクの解釈を垂れ流そうと思います。

 
①こころが「山札かドロップゾーンから」ミッシェルを呼んでくる

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何が何でも呼んでくるという強い意志を感じる

 デッキトップをめくってサーチとか山から持ってくるとかはよく見ますが、ミッシェルがいるのが「ドロップゾーン」でも確定で連れてこれるってのがいいですね。これは私自身がトップサーチに非常に弱いのもあって、性能的にも助かりました。ちなみにどのくらい弱いかというと、VGで一番回してるのはパシフィカと旋律の混合デッキなのですが、この一年触っててセリオでパシフィカを連れてこれたことがマジで一度もありません。本当にどうして?(ウルシュラはちゃんと来るけどそうじゃない)

 ドロップゾーンからでも強制的にミを呼び出せるこころさん──つまり遊園地には行けない、放っておいてくれと教室に籠った美咲を笑顔にしてみんなのところへ連れて行ったあのこころさんですね、わかります(詳しくはガルパバンスト2章を読んでくれ)。

 

②こころとはぐみが飛び回ってミッシェルが苦労する

 ハロハピのデッキは基本G2こころやはぐみが飛び回って連パンすることでパワーを出すデッキになります。

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G3こころで乗ったあとのリアのこいつが重要

 2つ目の効果は一見意味が無いように見えますが、『アタック後手札を1枚リアにコール可能』というテキストをG3こころとえがシンが持ってるのでつまりそこでこのこころをコールすればバトルフェイズ中にこのこころ含め2枚リアガードをコールできますよというお話になってきます。えがシンもバトルフェイズ中にコールしたキャラのパワーを1万上げてくれます。強いですね。

 ただし先客がいると引き潰すことになってしまうので連パンできるとはいえ少々もったいないです。そんなこころのぶっ飛びムーブをサポートしてくれるのはこの女〜!!

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安定の保護者面やれやれ系主人公

 アタック後にアタックした奴をSB1で手札に戻します。出番が終わったから帰って来なさいと呼び戻すんですね、完璧に保護者ですありがとうございました。やったね美咲ちゃん!これで前列が空くよ!ターン1制限はありません、ソウルのある限り戻し放題です。

 はぐも登場時パワー+1万のテキストを持っているので呼んだターンに殴ると重いです。プレイされた曲がえがシンで相手のVがG3以上ならはぐはバトルフェイズに呼ぶだけで3万です。頭がおかしい

 楽曲もダメ落ちさえしなければCB1で好きなものをプレイできます。なんなら1回プレイした曲はミッシェルさえいれば何回でもプレイできるのです。天才かな?CBはえがシンくらいしか使い道がないので心置き無く使える辺りにハロハピ随一の有能感がにじみ出てて◎。シンプルにミッシェルの効果で楽曲プレイするのはDJがキッチリ仕事してる感あって好きです。

 

③ミッシェルを支えてくれるもの

 先程ミッシェルがSB1で非常に大事なバウンスを請け負ってくれている話をしました。ところでハロハピ軸はG3こころとえがシンのテキストを利用してG2こころとはぐみで7パンするのが理想の形なのですが、最低でもSB4が必要になってきます。普通に乗るだけでは足りませんね。

 そんなミッシェルを支えてくれる存在が二つあります。

 ひとつは、かのちゃん先輩。

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やるときはやる女・松原花音

 バウンス効果をコストとして(コストって何ですか?)ソウルチャージをしてくれます。ミッシェルの負担を軽減しつつ、更にミッシェルの手助けをしてくれる、いざという時に頼りになるかのちゃん先輩です。花音さんが居てくれてよかった〜〜〜!!

 そしてもう1つ。

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神曲 of 神曲

 そう、美咲がハロハピへの愛着を確信した神イベ「ハロー、マイハッピーワールド。」の曲、急遽ライブをしたいと言う美咲のためにこころが書いた、そして初披露前にハロハピの四人がミッシェルに黙って神MCをキメてくれた、あの『せかいのっびのびトレジャー!』です。ターン1回との制限はありますが、アタックのヒット時に1枚ドローとソウルチャージ1が貰えます。非常に美味しいですね。

 この2つの心の支えがあることで美咲は思う存分仕事が出来て、7連続で相手を殴りつけることができるわけです。大変解釈一致なテキストでした。対戦ありがとうございました。

 

 

 余談ですが、せかのびは2ターン目か先3にしか使う意味はあまりないので割とマジでかのちゃん先輩をどれだけ早く使えるかゲーみたいなところがあるのですが、この前は三戦して一枚も引けないどころかうち一試合で三枚ダメ落ちしました。どうして?そんなところ(山札内)で方向音痴発揮しないでくださいかのちゃん先輩!!それはそれで解釈はあってるんだけど!!!

 

#先月の生存報告[2021.Feb]

 緊急事態宣言の定義が徐々に分からなくなってきている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。東京都に住み、アルバイトは継続し、両親は共に毎日通勤しているのを見……という生活を続けてしまうとどうしても「緊急事態って何ですか?」という気持ちになってしまうのでよくないですね。本当はかねてから卒業前に友人と海外旅行でも行きたいねという話をしていたのですが、祖母と同居中の友人がさすがに宣言下での外出にいい顔をされなかったとして旅行の話ごとなかったことになりました。コロナ世代の我々に卒業旅行なんてなかったんや…。なお我が弟は宣言期間中もお構いなしに旅行に出ていた模様。どうして?(電話猫)

 大学生活の終わりが徐々に近づいてきており、最近は何をするにも二言目には「もう大学生も終わりですね/もうすぐ社会人ですね」と言われるようになりました。勘弁してください。実は社会人になることそのものにはあまり抵抗がない*1のですが、そのように言われるたびに『特に何も備えることなく境界線に到達してしまう』時特有の焦りのようなものが出てしまうのでどうにも落ち着きません。旅行のパッキングをしてると最後まで絶対なんか忘れてる心地がしてるアレとだいたい一緒だと思います。沢田にはいつか絶対やり返してやる。

 これは成人するときも似たようなことを感じていた記憶があるのですが、いざ「○○が終わる」と言われるとその○○が終わる前にしたいことって思いつかなくないですか? 外出が推奨されないご時世や社会人もしくは県民という平日にナンパしにくい友人が人脈の大半を占めていたせいもありますが、僕は結局何もしませんでした。成人直前もそんな特別何かをした記憶はありません。強いて言うなら当時は制服ディズニーデートだけはやってみたかったのですが、もう過去の話ですね。大学入学以降着実に太っているので、高校の制服に関しては着られなくなっていても何ら不思議ではありません。痩せろデブ。入社前研修も一時完結で週単位のタスクが本当に消失したので、特に何に対してやる気を出すという訳でもない日々でした。今月は騎士を目指すエリンの方がモチベが高かったような気がします。そんなモチベ全然出さなくていいんですけどね。

 徐々にオイルヒーターの出る幕がなくなってきたほかに季節を感じる要素があまりにも希薄なのでなにかがおかしい…と困惑顔をさらしていたのですが、そういえば三月になっても花粉の被害がありません。不思議なこともあるものですね。例年は一月の末辺りから、酷いときは脱水起こすほど永遠に鼻かんでたりしていたのですが、今のところ鼻水のはの字もありません。あとから時間差で被害がやってこないことを祈るばかりです。

  先日から長文ツイートになりそうなものや行動記録を雑にnoteに投げるようになってきたせいで、このブログがただのソシャゲスクショ供養所になりつつあります。面白い文章を自分が書けると思ったことはありませんが、やはり人の体裁からパク…インスパイアされたからには先人に恥じない程度のログを残せるようになりたいものです。大タイトル4つがソシャゲの話な時点でそれはずいぶんと無理がありませんか? という疑問に関しては、ステイホームを忠実に守った模範東京都民であったということで大目に見ていただきたいです。いや知らんけど……

 

 

★ぐらぶる★

 あれはおそらく去年の2月頃。コンパスガチ勢の女とグラブルガチ勢の男がお互い真面目にやるという約束(?)の上でお互いガチでやってるゲームに引きずり込むというムーブをしていて、心の底から人間のすることではないなと思って傍観していたのですが、その女の方に「一緒にグラブルやりませんか??」と声をかけられたことがきっかけでその昔元彼に唆されてアカウントを作ってガチャ引くだけ引いて3年以上放置していたグラブルを僕も始めることになりました。つまり何が言いたかったかというと、この2月でグラブル再開から丸1年だったのです。

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お問い合わせから聞いたら教えてもらえました

 途中モチベの浅かった時期もありましたが、就活が終わってからは結構ハマってやっていたような気がします。はるか昔にFGOであった節分塔イベなどは好例ですが、手持ちのキャラと自分の頭で工夫を凝らして敵をシバくみたいなゲームは割と好きなのです。一方で周回ゲーが非常に苦手なので、これらのゲームそのものへの適性は疑わしいものではありますが。

 せっかくだからこの先に向けてなにか長期的な目標が欲しいと思ったので、いわゆる神石編成を意識してみようと思って調べた結果、ハデス背水を目指してみようということになりました。ニーアはどのみち早いうちに取得したいなと思っていたので(ビジュが性癖)、多分無課金でできる作業が一番モチベ高めに続けられるのが闇だと思ったからです。ハデスは結構前から持ってるので、おそらく時間をかければ実用圏に到達できないことは無いと思います。多分。知らんけど。

 というわけで、再開後の3月半ばにガチャピン&ムックに救われる形で水着ゴブロを貰ったことと11月にビカラをギリギリのところでかっさらって以来、三度目の天井でした。

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天井をするコツはガチャゲーなのを忘れることです

 VD期間排出キャラには強者がいっぱいおるで、みたいな助言を予め受けていたので、ここのグラフェスでまとめて引こうというのは決めていました。グリームニルとアグロヴァル、クラリスが引けたので満足です。副産物でゴブロやエウロペの石が出たのも結構美味しかったのですが、ゼピュロス5枚目だけはどういう顔すればいいのか分かりませんでした。4凸したものすら活用できる未来が見えないので…いつか役に立つ日が来るといいですね…?このブログを書いている途中に神石5凸のお話が来ました。砕きはしてなかったのでそれそのものが無駄にならなさそうなのは何よりですが、まあ僕は6属性中風が最弱なので当分日の目を見るとは思えません。どうせならハデスの方が欲しかったです。

 まだ僕がランク2桁くらいの頃から先述の女(ランク140に到達し現在は放置勢)に「冬さんにランク抜かれたらやります」と言われており、特に理由はないものの悔しいので再開させようと目論んではいるのですが、ランクは2/28時点で依然124、cpクエストも200戦行く前に飽きました。想定の範囲内です。CPクエの消費スタミナに関するアラートを見る度に「どうしてそんなに周回することが前提なんですか?」と思っているのですが、間違っているのは僕の方なのでしょうか。きくうしこわい。

 フルオートで走ることが出来て、iPhoneでもiPadでもPCでもできるというのはゲームとしてとてもありがたいことではあるのですが、cpクエストに限って言えば1戦が短すぎるので結局グラブルに張り付いてなきゃいけなくなるんですよね。マグナフルオートとかイベントボスは属性によってはその間に原神の素材周回行ったりする余裕があるのですが、スラ爆やCPクエストみたいなランク上げ目的のものは一瞬で終わってしまうのでむしろ苦行なんですよ。やっぱりあのクソ短期間であそこまでランクを上げた某氏は化け物かなにかだと思います。

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ここまでやったことに自分が一番驚いてる

 今までほとんどイベントはやっていませんでした(なんなら新規と復刻の見分けすらついてませんでした)が、今回のイベント(灯幻連理双紙)で初めて10箱開けました。未獲得分のダマスカス骸晶が150とかなってたので、まずはこういうところから…。iPadのdiscordで作業通話に入り、skyleapでグラブルを動かし、スマホで原神を…みたいなのが僕の夜更かしのメインパターンになってきましたが、そもそもそういうことのためにiPad買ったはずじゃなかったんだけどな…。

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「いっぱいころそうね」の原点

 

 

★こんぱす★

2月は何よりも初音ミクコラボがありました。

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今年の衣装割と好きです

 魔法少女固定でミクを使いたいねという話になって以来きっちりBMを貯め込んでいたので、珍しく5万くらいあったのを放流しました。拾えてなかったレンを回収したうえでちゃんとミクと今年の雪ミクをお迎えしたので満足です。対戦ありがとうございました。ドアも緑号令も2凸リーチがかかっているので、そこで160組めるようになったらそのうちランクでも使えるようにしたいと思っています。某鯖でコンパスする時等、固定でどうしてもスプを人に押しつけてしまうのをやや気にしてはいるのですが、とはいえテスラはあまり性癖に合わないので…。遠近両カードはデフォルトデッキに搭載されているのでまあまあ慣れてはいるのですが、その一方で日頃周カードをあまり使わないので、ダメカを割る手段を持たないまま号令を無駄なく使うのにはすこし訓練が要りそうです。

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偏り方がひどい

 そして10枚目が先述の雪ミクガチャで出た辺りからやや嫌な予感はしていたのですが、今月ついにカノーネが3凸しました。いえこれ自体は喜ばしいことなのですが、あの…始龍の実装はまだですか…? 具体的にアタミッションでアダムを使いたい僕としては、そろそろ冗談抜きで難民してるのが辛すぎるので切実に出てきて欲しいです。カノーネの次くらいにたくさんあるソーンも精々7枚前後なので、本当によくわかりません。前向きな話をすると、これで晴れてデキレが170になったので、これからも頑張ってメグメグで敵のダメカを粉砕していこうと思います。

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実は達成するのは初めてだったりする

 そのカノーネ搭載型タイオワチーちゃんに魂を売って早数ヶ月、気がついたら使用率がエミリアどころかリリカを超えていました。メグを使っていると「メグじゃなくて諏訪部で良くね?」と度々言われるのが悲しいのですが、やはりスルッと敵に近づいてカノーネでダメカをブチ割れるところまで含めてメグメグは楽しいので、今後も極めていきたいです。剣5+異色剣2の微妙すぎるメダルをどうにかするのが今後の課題でしょうか。エミリアの同色剣8をこちらに移植したいというのが素直な気持ちです。

 そんなこんなの甲斐があってか、ルルカシーズンはS4にて幕を閉じ、初めてカード確定配布の順位まで登り詰めました。やればできるじゃないですか。固定してくださった各位ありがとうございました。来季もがんばりたいです。

 

 

★げんしん★

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樽復刻までガチャ禁すると言ったな?あれは嘘だ

 オタクの遍歴としてSAOとかは別に通ってないのですが、カオチャでは大変お世話になっていたので、つまり何が言いたいかというとつぐつぐボイスには勝てませんでした。60連でお迎え出来たのでよしということにさせて下さい。樽貯金は11kまで持ち直したのでまだ復刻が始まらない限りは大丈夫です。

 ジンこそ引いているものの風属性が強いというイメージはあまりないので、そういう意味でもメインを張れそうなキャラが引けたのは嬉しいです。今月は重雲と行秋も2凸したので、後は鍾離先生辺りを合わせて美青年PTを極めていきたいところです。

 

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このデザイン自体が結構好きだったりする

  ようやく重雲の好感度も上げ終わりました。長かったようなあっという間だったような…。重雲だけでなく、脳死で併用していたクレーやフィッシュル辺りも10に到達しました。第一部完。いろんなキャラのストーリーを開けていきたいので、花報酬二倍があるうちにまた属性と武器のバランスがとれるPTを考えていきたいですね。

 

 今月は写真イベと海灯祭がありました。

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アイテム欄から使用すると打ち上げられるのすごい

 写真イベ、結局あの偏り方がなんだったのかはよく分かりませんでした。Twitterでは長らく被写体の色を参照していたのではと言われていましたが、石珀溜込真君理水畳山真君の庭の岩と石珀を撮影したら赤い写真が手に入った時点で考えるのをやめました。今思えば単に確定枠分だったのかも知れませんが、確かめようがありません。ゲーム内のモンスターや素材の色判定仕様を知る機会にもなったので多少の愉快さはありましたが、今思い返すと面倒だったと思うことの方が多いので、もうこなくていいかな…と思いました。アイテムインベントリを見たらこの時の報酬を含めて写真機が2個あったのですが、ふたつの違いがよく分かりません。どちらかは違うものを報酬にすべきだったのでは、とも思いましたが、まあこの欄のアイテムを使うことはあまりないのでそこまで関係ないのかも知れませんね。

 海灯祭は素晴らしかったです。ストーリーももちろんですが、特に霄灯の浮かぶ璃月の夜景がとてもきれいで気に入りました。僕自身もともと原神はスマホ派だったのですが、海灯祭期間はあの光景をぜひとも高画質大画面で見たいとPCでプレイしていました。夜の璃月、デフォルトであれでもいいと思うんですけど、ダメですか? ちなみに、機関棋譚挑戦や世界任務で消費しなかった霄灯をインベントリから使用することで本当に打ち上げられることを知り、スマホから意気揚々とフォロワーとの撮影大会に臨んだところ、一気に重たくなり残り少なかったバッテリーを急速に消耗して死亡しました。唯一撮影に成功した写真が上記のものです。本当はもうちょっとフォトジェニックというか、見た目が映える写真を撮りたかったのですが、第五人格ほどではないにせよやはり難しかったです。霄灯はまだ残っているので、これを使った映え写真の撮影にはリベンジしてみたいですね。

  機関棋譚も個人的には非常に面白かったです。序盤はなかなか高速移動勢の撃ち漏らしが多くてストレスだったりもしましたが、装置のレベルが上がるにつれて結構楽しくなってきました。discordのメンバーが軽い気持ちで提言した地雷縛りを本気でやる輩が出てきたり、かと思えば「救えない」と言われ続けた風装置の活路をどうにか見つけ出そうと試行錯誤する連中が出てきたり、春水蛾眉各分飛の脇スポーン位置から中央道に敵を落として謎の壁嵌めを起こすことに魂を掛ける代理団長が発生したりと、なかなかにぎやかなマルチプレイでした。マルチでやるのが前提みたいなゲームでしたが。あれ最後まで一人でやってたら普通に発狂してる気がします。過負荷しか勝たん。

 唯一文句をつけるところがあるとすれば、何もあんなに世界任務をやらせることはなかったんじゃないですか、ということくらいでしょうか。任務の受注人物が任務間で重複すると進行させる任務が選択できなくなる仕様自体は知っていたのですが、甘雨のストやらデイリークエやらとやたら重複することに腹を立て、結局第三段階にはただのひとつも手をつけることなく終了しました。やはり僕は「タスクが溜まっている」という状況に非常に弱いようです。

 彼氏がいわゆる古風な中国っぽいものを好きだということを知っていたので、この機会にと思って彼氏にも原神を勧めたところ、テイワット上陸からわずか一週間前後で海灯祭参加権*2をぶんどっていて驚きました。あなた社会人ですよね…? 予想した通り海灯祭(というか璃月)は大変お気に召して頂けたようでなによりでした。彼にはどうやら僕がしれっと読み飛ばしていったようなタイプの世界観設定が大変ツボらしく、目下のところは偽ジパングとの噂の稲妻実装が楽しみだそうです。

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クソガキには理解不能な謎の名シーンセレクション

 

 

★ばんどり★

 自分がバンドリのオタクであることを長らく忘れていたらいつのまにかハロハピの三章が実装されてしまいました。どのくらい忘れていたかというと、この2年くらい起動時に2章のこころさんに迎えられない回は存在しない*3とかそういうレベルです。なんですけど、Twitterに流れている紹介動画の時点でやばすぎて即座に返って来ざるを得ませんでした。なんでこころさん紹介映像の時点で泣いてるんですか?! 正直なところエロゲハロハピ夏箱イベ以来アプリすらほとんど開いていなかったのですが、当該イベントの報酬の左エピが緩やかな不穏を撒いて行ったのが記憶に新しかったので、これはmskkの女として見逃す訳にはいかないのでは…?とログインしたわけです。

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ここで星空はずるいよ…

 先述のこころ左エピ以来の大号泣でした。相変わらず規模感が御伽噺のようなのでこういうところは合わない人には合わないのだろうなとは思いつつ、とはいえこのバンドは本当に見た目のカラーに似合わないほど恐ろしいくらい対人認知に付随する情緒を描いてきますね…。僕自身真顔で爆笑とかツイートするタイプのツイッタラーですが、ハロハピには本当に泣かされてばかりです。いやマジで。1章はそうでもなかったけどハロマイ*4と2章はかなり泣いた気がします。あとバニメ2期4話*5

  僕が奥沢美咲に対して非常に拗らせた感情を持っている話をするとそれだけでもう一本記事が書けそうな予感がするので詳しくは割愛しますが…「こころの自覚と成長」が主題であった今回、奥沢もしっかり仕事をするのでそこはシンプルに良かったのですが、このカードの右エピはいつも通りの奥沢でした。大ッッッッ嫌いだけど大好き(ブチギレ)。引いたけどまだ読んでなかった、という方がいらしたらぜひ確認してみてください。

 

 

★いろいろ★

 

1億年ぶりにマカロンを作りました。

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メレンゲ作りの詰めが甘かったっぽい?

 小学生の時に表紙の絵で買ったとある児童書に影響されてマカロンを作ったのがきっかけで、高校時代くらいまで続いた友チョコ文化ではよくマカロンを作って人に渡していました。昔の写真が無いのが惜しいですが、高1の時の作品は割と出来が良かったと自負しています。

 例年は親戚中の私の代の子供が男だらけであるというのをいいことに(?)親戚にも押しつけていたのですが、そろそろ従兄弟たちも貰える喜びよりお返しを用意しなくてはいけない面倒臭さの方がキツいだろうし、今年はコロナのこともあって祖父や叔父たちに私が手作りしたものを寄越すのは心理的抵抗があるし…ということで家族と彼氏以外には渡しませんでした。まあ、だから写真レベルで妥協できたみたいなのはあります。こんな時期に呑気にお菓子作ってる余裕があるのは今年が最後ではなかろうか、という直感があったので久々にやってみましたが、基本的にお菓子作りは割とすきなのでせっかくだからまたやりたいですね。毒見係は随時募集中です。大丈夫、死にはしないから…(?)

 今月は妙にカラオケの機運が高い月でもありました。皆さんはまねきねこに「朝カラ」というシステムがあるのをご存知ですか? 午前中の室料がめちゃくちゃ安くなるというもので、ワンオーダー必須とはいえ30分10円で入れるのです。バイトが基本的に夕方からしか入らず、日中を持て余していた僕は「早く起きて動ける状態にしてすること」の選択肢のうちの一つにカラオケを追加しました。やることがないなと思うと永遠にだらだらできてしまいますが、「何時までには何を済ませてこうしよう」という指針がたつだけで一日のモチベがだいぶ変わりますね。3時間歌いつぶしても500円かからないのでとてもコストパフォーマンスが良いです。たまにカラオケキャスを垂れ流したりもしていましたが、なぜかフォロワーのうちの一人がこれをラジオと言い張って職場で流していたらしく、さすがの僕もドン引きしました。そうはならんやろ……。閑話休題

 2月は映画も見に行きました。約ネバの実写です。僕のトップクラスにお気に入りの漫画に「青春鉄道」という鉄道擬人化漫画があり、そこでこれまたトップクラスで好きだった*6長野新幹線の役をかつてミュージカルで演じたのが板垣李光人という俳優さんだったのですが、彼がなんとノーマン役で出演するというのでこれは何としてでも見に行かなくては…と予告段階からかなり期待を膨らませていました。ええ、結論から言うと最高でした。りひと君のノーマンが解釈ド一致だったのも勿論ですが、全体的にビジュアルをある程度まではきちんと寄せた上で自然に原作キャラ寄りのatmosphereを出せるキャスティングがされていて、主格の2/3の髪色が異質であるにも関わらずコスプレムービー感があまりない良い仕上がりだったと思います。ギルダとかマジで可愛かったです。白髪のノーマンが最も懸念材料になり得た気はするので、やはりりひと君は天才だと思いました。一応原作は一通り読んではいたのですが、年齢の設定変更については特に違和感を覚えなかったので、そこに憤慨している人の気持ちは分かりませんでした。多分原作の設定の方が無理があると認識していたのでしょう(原作リスペクトが足りない)。この改変に賛同できなかった熱心なファンの方がいたら申し訳ありません…。おそらく「原作のストーリーは覚えてる」程度までの人だったら問題なく楽しめると思いますし、未視聴の方はなにか機会があったら是非見てみて下さい。オススメです。

 

*1:就職活動中かなり満足度の高い面談の上で内定を頂いたことと、定時に定位置に移動する習慣を作らないとアウトプット能力がガタ落ちするという自覚があるので、もはや無気力無習慣の日々である現在がはやく終わってほしいまである

*2:確かランク20前後で受注可能になる璃月のストーリー読了が必須だったはずなので、マルチ解放より更に先です

*3:いわゆるカムバックログボ付与画面を毎回見てるの意

*4:ハロー、マイハッピーワールド

*5:こいつのせいでせかのび聴くと泣いてしまう身体になってしまった為バ!のオタクがいてもカラオケで歌えなくなった

*6:過去形なのは、長野新幹線は延伸により北陸新幹線になり、その時に姿も大人のものになってしまったからです。残念でなりません。決して僕はショタコンではありませんが信越の気持ちは分かります

読書感想文 [人を愛することができない ~マイナスのナルシスの告白~]

注意

この記事はある程度当該書籍を読んだ人向けに書かれています。要約力がないのであらすじを書くのは諦めました

未読者各位は僕から借りるか、アマゾンでポチるかして本編を読んでからこの記事を読むことをお勧めします。

 

 

 

 

introduction ── 用語解説

(「お前の思想になんざ興味はねえ、読んで思ったことだけ聞かせろ」という方*1はこの辺はすっ飛ばして項目3へどうぞ)

 

所持 … 人間に先天的に備わるものは存在せず、人間のもつスキル/スペック/性格傾向などのステータスはすべてその人の持ち物である、という考え方。容姿/学力/資産などの可視化されやすいパラメータはもちろん、それを維持/向上させるという発想やそれらにどれだけ注力できるかの能力など、「人の特性」として扱われるものはすべて所持の対象になる。[参考1]

 

作用 … 集団内で一定の役割を持ち、集団の利益に寄与する働きをすること。部活動やサークルの役職から友人同士の飲み会のセッティングをすることまで、実際の作用の種類は多岐にわたる。この働きをしようとすることそのものを、単に作用努力と呼ぶこともある。[参考1]

 

陶酔 … 自身の立場や状況、対象の持つ条件などを契機として人間が『自分に酔っている』状態のこと。インターネット上のみで形成される人間関係や若年層の恋愛関係によく見られる。陶酔の実現は自己肯定感の補填に一定の効果が見込めるが、他者への何らかの要求が付随する場合はそれらに際限がない場合が多く、陶酔のアウトプットの対象となった人間の多くはいずれ要求に応じることが出来なくなり関係性が瓦解することが大半である。後述する宗教における信者に類似している。[参考1]

 

宗教 … [ある一定の方向性の発信をして人間に追従される代わりに追従する人間から何らかの収益を得る人間]=教祖と[対価を支払って人生の主体的価値観を外注する人間]=信者という二者の関係。実際の宗教団体に限らず、[ひとつの偶像を盲信させることで成立する二者関係]を広く指し、いわゆる信者ビジネスから地下アイドルまで広く採用されている。前提として、人生におけるモチベーションを自力で作成することには非常に労力が要るという考え方がある。[参考2]

 

仮想中央値 … 俗に[平凡な〇〇][普通の〇〇](空欄には人生や恋愛などの単語が入る)と言われる、『恐らくこの辺りが人類の中央値だろう』という見立てのこと。『人間である以上半数以上の人間は達成しているはずだから』という理由でモデルケースとして目指されることが多い一方で、実際にはこれ自体が上位数% ~ 2,30%前後のどちらかと言えば希少な事象を示していることが多い。

 

 

1. [人を愛する]という仮想中央値、呪いについて

 仮想中央値というものはどこにでも存在する。それは例えば、人を愛することについてもそうだ。[人を愛する]ということについて、人間は多かれ少なかれ脳内にモデルケースを持っており、多くの人間が『普通はこういうものだ』と恋愛に対して一家言持っている。しかし、その[普通]に人間関係を構築できる人間が果たしてどれだけいるのだろうか。誰もが[普通]にそのような人間関係を構築できないのであれば、その[普通]はもはや[普通]と呼べないのではなかろうか? この本は、『[愛というものを苛烈に求める人間]と[そうした観点が徹底的に欠落した人間]を見て育った人間が、[人を愛するという行為]の仮想中央値に追いつけないことを嘆いている』ものであるように僕は感じた。

 この本の筆者からすれば、彼ができないことは確かに[人を愛すること]なのだろう。しかし、彼が[人を愛すること]とみなしている事柄も、それがその人が真にその人を[愛している]ことの証左となるとは限らない。筆者の母においてもそうだ。筆者の母は『夫に愛されることを望みながらも生涯愛されることなく死んでいった女』として描かれるが、彼女自身も[夫に愛されない]事実そのものに苦しんでいたのではなく、[愛し合う夫婦]の仮想中央値に追いつけないことに苦しんでいたのではないだろうか?

 正しい[人の愛し方]というものは存在しない。そこに存在するのは[自分の思う愛し方]、[自分がしたいとは思わない愛し方]、[法や憲法等コミュニティに課せられた規範に背いている愛情表現の形]だ。そこには『本当の愛』も『正しい愛』も存在しない。しかし、何が災いしているのか、往々にして人間は『正解』を求める傾向がある。仮想中央値を上回るステータスを自分が持っていると思い込み、現実にそうでなかった場合にはどうにかそこに追いつこうと躍起になる。その結果、それを手にして自分が本当に充足するかもわからない概念に囚われてしまう。筆者は際限なく他者の愛を求める[愛する者]を[奴隷]であるというふうに形容したが、まさしく奴隷であっただろう彼の母は夫にその時点での理想通りの愛を享受できたとして、果たしてそれで満足できたのだろうか? 察するに、恐らくそうはならないことだろう。愛の奴隷である彼女の要求は、際限なく続いたはずだ。

  『仮想中央値』は、時に呪いとなって人の心を蝕む。筆者の母を見れば、そのことはよくわかるだろう。他者への愛は、愛する主体にとって最も合理的な形で表されるべきであって、正しさに到達する手段であってはいけないのだ。*2

 

 

2. [かくあれ]なくとも、過集中の誘蛾灯にはなれてしまう[絶望]

 本書の後半部分には、筆者のいわば[恋愛遍歴]のようなものが綴られている。Amazonなどのレビューを見ると、これらの記述に対しては辟易していたり懐疑的な態度をとったりする読み手が多いように感じられた。確かに、対照的な両親の記述とそれを冷静に分析する筆者のテキストを通過した後で、ハイそうなんですねと軽く受け流せるような情報の質や量でなかったことには違いない。根暗、もしくは無慈悲ともとれる筆者の自供に対して、矛盾のような疑念を感じる人もいるだろう。しかし、僕はこの告白こそが本書の中で最も興味深く、すべての事態に納得のいく説明がつく最も重要な情報であると考えた。

 僕が思うに、俗に[モテる]と言われる、人間が人間の好意的関心・評価を集めるパターンには、一般に大きく分けて二つある。一つは単純に社会やコミュニティ内のヒエラルキーにおいて上位層を維持することが可能なだけの『所持』があるパターンだ。児童期・思春期の交流相手の選定はけっこうこの『所持』がものを言うケースが多く、ネット上の言説で俗に言う[モテ/非モテ]はこの『所持』が一定の分野下であったか否かの問題に帰着することがほとんどだろう(と僕は考えている)。もう一つは、対人交流場面でいわゆる『作用努力』をすることに慣れているパターンである。『作用努力』ができるタイプの人間はいるだけで対人交流場面のスムーズさを上げるため、比較的色々なコミュニティで重宝されやすい。従って、大学生から社会人にかけて対人交流の質が変動してくると、このタイプの人間の株は急激に上がる印象を受ける。男性で言えば[草食系男子](女性に対して『女性であるから』という理由でがっついたりはしないものの人間として円滑に作用努力ができるタイプ)、女性で言えば[家庭的な子](恋愛的行為にリソースを割いた経験は少ないものの作用努力ができ、特に生活に対する解像度が高い)とラベリングされるような特質が該当しそうである。

 ところで最近、そのどちらでもない第三の[モテ]パターン、僕の友人が『過集中の誘蛾灯』と呼ぶものがこの世にあるのではないかと僕は考えている。複数人の陶酔状態の人間が、ある人間に対しての感情を恋心と錯覚し、まるで蛾のように集ってくるというパターンだ。そして、筆者の綴った恋愛パターンも、まさしくこれではないだろうかと僕は考えている。

 陶酔が実際に実行された形、特定の個人に短期間のうちに大きくリソースを割く行為のことを僕は『過集中』*3と呼んでいて、僕の高校時代の同期がこのタイプの『恋愛』を好む女を非常によく寄せ付けていた*4。こうした人間が過集中状態の人間を寄せ付ける現象を彼女が自虐的に形容したのが、『過集中の誘蛾灯』というフレーズだった。

 筆者も、テキストを読む限り、この『過集中の誘蛾灯』になる才能は非常に高かったのだと推測される。陶酔状態に陥りやすい人間と関わってその人間の『過集中のスイッチ』を入れ、複数の人間の『恋愛脳的』関心を引くことは、模範的な陶酔型の母を見ながらもそうした感性を持たずに育った筆者にとってはさぞかし容易かったことだろう。それでおそらく、若い感性の自己承認欲求も満たされていたはずだ。それはひとつの、彼なりの自己愛と称しても差し支えあるまい。

 しかし、筆者の思惑を露知らず相互依存であったりかなり支配的な人間関係を目指していた過集中状態の女性たちが、筆者の欲求を満たす程度で満足が行くはずがなかった。遅かれ早かれ、筆者の真意や行動をメタ的に/徹底的に暴こうとするものは出るだろう*5。もちろんそうした人間は、筆者にとっては恐ろしいものでしかない。その残酷でひとりよがりな構造を暴かれるわけにはいかず、その為には自分の真意を暴かれる前に殺すしかない。だから彼には、[おびき寄せておいて捨てる]必要があったのだ。

 同期の彼女と筆者の特徴を並べてみて、少しだけ気づいたことがある。テキストを読み、出そろった情報を眺める限りでは、両者ともに比較的厭世的で、他者個人に深い愛着を持つタイプではない。でも、というよりだからこそ、すこし「ほかの人間より特別そうな扱い」の振る舞いをされると、陶酔状態になりやすい人間たちからは特別な人間としてターゲッティングされてしまうのではないだろうか?

 

 

3. 人をそのように愛せなければならないのか

 この本で取り扱われる[愛]は、筆者の家庭環境があってのことという前提のせいか、簡素にそう称するにはやや盲目的であり、他者依存的でもある。この本自体が[本当の愛]に対する考察ではなく、[盲目的かつ他者依存的にも見える愛という規範をインストールしたけっして少なくない人間たちが、愛と呼ぶもの]に対する考察であるため、当然の帰結ではあるが。

 筆者の結論は、[そうやって人を愛することは自分には無理だ]というものであった。僕も全くもって同感である。人間に、人間であるというそれだけでそのような芸当を求めるのは無茶だ。もちろん作中に描写されるタイプの愛情表現でうまく関係性をコントロールしている人間もいるし、そういうスタンスを僕は否定しない*6。しかし、それを一方の陶酔や過集中・宗教(要は真に相手を愛するのではなく[恋人同士]という役柄に酔うなど)にはせずに相互への慈愛という形で関係性を維持するのには、けっこうちゃんとしたマインドセットがいる。意識しないでも呼吸ができたり発話発声をしている僕らが、同じように当然に他者を『愛する』ことができるかというとそんなことはまったくない。はっきり言って不可能である。

 これは当然のことなのだが、生きているうちにすべてのジャンルで『みんなが常識として考えているであろう平均的なライン』に到達する必要はない。こうしたある種の目標意識がある時点で水準としては一定のものを持っており、故に名目上のこのラインには実際のラインより高い水準の事象が適用されている場合が多いからだ。順当にいけば、つねにそんなものを目指そうとしたらリソースが枯渇してしまうはずだ。自分で考えて決定することに価値を見出さない人間や、自身の求める本質的幸福がそういう形をしている人だけがそれを求めればいい。自分で自分にとって価値のある到達点を見つけられるなら、平均的なラインを必死に目指す必要はない。他者との関係形成の場においても、まったく同じことが言えるだろう。

 筆者は周囲の人間の行為を愛によるものととらえ、[自分に人を愛することはできない]と結論付けた。しかし僕はそもそも、自己愛が元になった執着から他者の単一要素の肯定的評価まで、すべてをまとめて愛と形容してモデルケースに押し込もうとする姿勢の方に強い違和感を覚える。愛に正誤はないし、そもそも人間の思想や行為にも基本的には正誤がないが、表に出される行為とその原理については各人がもっと慎重に、そして自覚的になるべきなのではないかと僕は考えている。大切なのは、誰かの目にどう映るかじゃなくて、自分がどう思うかだから。

  

 

 

おわりに

 下書き見た人ならわかると思うけどフツーに考えたこと全部書くの無理でした~

細かい話は気が向いたらnoteに載せます

メンヘラをちゃんとやれる人は羨ましいけどそれはそれとしてメンヘラはクソ。

*1:仮にいるならお尋ねしたいのですが、どうしてこのブログを読もうと思ったんですか?

*2:先述の通り愛に善悪正誤は存在しないが、少なくともどういった感情を愛とするかで予後の良し悪しに差はあるだろうというのが僕の見解だ

*3:本来は発達障害のうちのひとつとして見られる、自身での意識的な制御ができない行動群を指す。僕は体験したことは無いが大変らしい

*4:恥ずかしながら、僕も恐らくそのうちの一人だった

*5:互いのスマホGPS入れてPWも全開示、レベルの過束縛をしたしされてきた身で断言するが、こうした要求をするタイプの人間が『満足』することは基本的にない

*6:[おまえが通ってきた道だからだろ]は禁止カードですよ